日本から僅か2時間余り
極東ロシアの沿海地方に到着した
心地よい陽射しに包まれた港街
シベリア鉄道の起点ウラジオストクからオケアン号に乗り込み
憧れの旅路へ向かうことにした
僕はまた異国のこの街で
心安らぐ場所を探していたのかもしれない
(2018, 夏篇より)
鮮やかな日々に思いを馳せ
再び訪れた冬の終わり
眩い青さに満ちていたアムールの海は
対岸まで続く氷の世界に姿を変えていた
氷上を漂う人々は 静寂の中に身を委ね 穏やかな時間を過ごしていた
肌を刺すような寒さを忘れるほど 薄明の中で光を追い求めた日々も
今では遠い記憶のように感じている
(2020, 冬篇より)
出版社:自費出版
刊行年:2022年
サイズ:B5変形
ページ:96pソフトカバー
写真:塩川雄也
デザイン:鈴木壮一
印刷:上毛印刷株式会社